世の中に無用の産物が生み出されるわけ。それ、いる?
良さそうなのは分かった、でもそれを必要としてる人ってほんとにいる?
自戒の念もこめて。
世の中には多くの時間とコストをかけられて作られたが、使われないサービスがたくさんあります。
元来新しいサービスというのは成功するほうが稀なので、自然の摂理とも言えますが。
机上の論理は理解できる、なのに驚くほど使ってもらえていない・・・と思うサービスが街中にたくさんあって、改めてなぜだろう、と考えてみました。
例えばこれ↓
石垣島にある観光案内サイネージ。
タッチパネル式サイネージで、石垣島の観光情報を種類別、距離別とかで出してくれます。
フェリーの待ち時間や到着直後の情報が必要なときに使ってもらうことを想定しているのかなーと想像。なかなか目立つデザインで操作性も悪くない。多言語対応つき。
でもびっくりするほど触っている人はいませんでした。
次はこれ↓
都心の駅では見かけることも多くなってきたRoute finder。
行き先を検索して指定すると電車の乗り換え情報を教えてくれます。
レシートを印刷して情報を持ち出すこともでき、観光案内情報まで表示してくれるようです。
訪日外国人が増えているといわれる昨今、これの前に列が出来ててもおかしくないとも思うのですが、実際はそうもいかないようで、少なくとも私はまだ触っている人をみたことがありません。(偶然利用シーンに出くわせていないだけかも知れませんが)
紹介したサービス2つとも、考え方は凄く分かるんです。
旅行者はこんなことに困っている。旅行者に対して有益な情報を発信したい。きっと便利になるはずだ!
という思いが聞こえてくるようです。
作る側の論理だけじゃだめ
乗り換え案内も、観光案内も、観光客はうれしいはず。
じゃあなぜ使ってもらえないのか。
あくまで独断と偏見ですが、この2つのサービスは共通して足りない視点があると感じています。
それは、このサービスを使いたいと思う人は具体的にどんな人なのか、ということと、ユーザに「使いたい」と思ってもらい、かつ実際に動かすにはどうしたらよいかという視点です。
石垣島のサービスで言えば、外国人なのか、日本人なのか、もっと言うと、台湾なのか韓国なのか、どういう趣味・属性があると考えるだろうか。
その人たちが どういうタイミングで、どういう行動をとるんだろうか。
観光案内が欲しいと思ったら、マンタに聞くより取りあえず案内所の方にお話を聞きにいくのでは。
じゃあそれがPepperだったら変わるんだろうか、スマホとどう違うんだろうか。
てな感じで。
かなり具体的に、ユーザの興味を引くところから、実際に使うところまでのシナリオを描いて、そのシナリオを実現するための方法を探らない限り、結局使ってもらえない。
ユーザに能動的なアクションを取らせる、っていうのは案外難しいものです。
私自身「これ、使うかなぁ。必要だと思うかなぁ」という問いに耐えうるサービスを作ることは結構高いハードルがあると感じています。
「お、便利じゃない、これ?」というアイディアができても、実際に使うか?と問うと、うーん、となってしまう。
お金払う?と聞かれるとさらに、うーん、となってしまう。
しかも、ユーザに使ってもらうための仕組みって、目立つ画像を配置する、なんていう、机上では大したことない施策のように見えることが大きな力を持っていたりするんですよね・・・。
作る側の論理を押し通してしまうとユーザからスカンをくらってしまう。
かといって、客のニーズばかり聞いて取り込んでも提供価値がぼやけてしまう。
少しでも世の中から無用の産物が消えますように。
自分も作り出してしまうことがないように。
作る側として大事にすべき提供価値とユーザが使いたいと思うかどうかの視点を大事にしていこうと改めて思いました。
それにしても眠い・・・これ書きながら3回ぐらい寝落ちしました・・・。