女性コンサルタントの頭ん中

業務コンサル会社に勤めて3年目 日々考えたことを書いてく

#MeTooとかセクハラとか、心の奥底と戦うということ

#MeToo

これについて書こうと思うもののなかなか手が進まない。改めて表現が難しい話題だと感じます。

最初に言っておくと、私自身は幸いにも、大した被害を受けたことは無いので、今まで言えなかった思いを吐き出す、という趣旨のものは期待しないでください。

ただ、一応日本の労働社会で経験を積んだ者として、自分の考えを一度形にしておきたいと思っています。

 

私は新卒で外資系の企業に就職し、その後日系のコンサルファームに転職しました。

一社目では、特に女性であるからどうだ、とか、男性がどうだ、とか、セクハラがーとか、気にした覚えは無いです。敢えて言えばLGBTの活動活発だなーって思ったくらいで。職場に女性が多かったのもあるんでしょうが、「男女平等だ!」なんてことすら考える必要が無い環境でした。

 

その後転職して日系社会に飛びこみました。

相対するお客さんはがっつり歴史ある日本企業が多く、常駐時には8時半からラジオ体操を経験し、「これが日本か・・・」としみじみ思った記憶があります。

このラジオ体操会社、男性8割、おじさん多し、昔ながらの日本企業でした。

これが私の日本社会デビューの環境です。

当時26歳だった私はコンサルとしての技量も知識もなく、最初はOJTという立場でプロジェクトに入りました。

そんな身なので偉そうなことは言えないのですが、プロジェクトに入って間もない頃

先輩から「女性はいるだけでバリューになるから」と言われたのですね。

もちろん先輩はポジティブな意味でそう言ってくれたのですが、初めて、仕事の場で「女性である」ということを意識することになりました。

確かに女性に優しいおじさんは多く、仕事がやりやすい面もあるのですが、そこには少なからず「性的」な意味も含まれていて、優しくしてもらってもどこか「気持ち悪い」と思っている自分がいたように思います。

若い男性だったら同じように接していただろうか。優しくはしてもらえないかもしれないけど、代わりに仕事相手として可愛がられたのではないか。

仕事相手としてはむしろそのほうが正しいのでは。

「女性」という要素を交えず、仕事相手として純粋に見てほしい、それが意外にも難しいことなんだと感じました。

 

もう6年ほど前になりますが、今でも覚えていることがあります。

ある日、PMと2人で相手のお偉いさんと会食をすることになり、いい感じの和食店に行くことになりました。

お酒もそこそこ進み、50代中盤のお偉いさんは真っ赤になってご機嫌、私のアメリカ留学の話になったので色々とお話していたら、

突然お偉いさんが「黒人とやったの?どうだった?」と。

やった、とはもちろん夜の営みのことです。

もっと踏み込んだことを言っていたような気もするけれど気持ち悪すぎて覚えてません。

そんなことを口にする神経がもう信じられなくて

さすがにPMが遮ってくれましたが、程度の低さに絶望しました。

 

他にもお客さんから断りづらい状況でFBの友達申請を受けて、メッセージでしつこく1対1の飲みに誘われたり。当時はこんなものか、と困りながらも受け流していましたが、今考えるとこんなこと起きない世の中のほうがいいな、と思います。

 

女性を平等に扱ってくれ、とか、そういうことですらないと思います。

一社目がそうだったように、男とか女とか、ビジネスの場で特段考えなくてもいいような状態でありたい。

 

人の心の根底にあるもの

なぜこういうことが起こるのか。そしてなぜ無くならないのか。

勿論、女性の被害だけでなく、男性の被害も含めて。

私が思うのは、ジェンダーに関する価値観は一人ひとりの心の奥底に埋め込まれていて、その人の意思の及ばぬ場所に根付いている、ということです。

正確には、ジェンダーに限らずですが、社会だったり、生物学的な常識だったりによって、本当に長い間培われてきた「〇〇はこういうものだ」という観念なんですよね。

その人の意思が及ばない場所にあるので、言ってる方からすれば、最早何が悪いのかも分からないんだと思うんです。

それに関して相手を責めるべきなのかわかりません。恐らく自分もこういう心の奥底にある価値観で誰かを傷つけてきたのだと思います。

 

ジェンダー問題に対し、私なりに思うこととしては、

・50代以上の世代でこの価値観を持っている方はあまりに根強いので、戦うより労働市場からのエグジットを待つ方が良いかも。

・少し過剰なくらい社会に取りざたされることによって、一人ひとりの意思が少しでも心の奥底に届けばいい。変わるのは時間がかかるだろうけど、そうやって少しずつ生きやすくなっていったらいいな。

 

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ところで、これは勘弁してほしい。こういうことじゃないんだ感がすごい。

この人たちも真剣だとは思いますが、分かりやすい標語として掲げてるようにしか見えなくて。

より良い未来を信じて、敢えて恐ろしい体験に勇気を持って向き合っている人たちに対して、さすがに失礼なんじゃないかな・・・。

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ネット上のハッシュタグを紙で掲げているのがまたシュールです!