女性コンサルタントの頭ん中

業務コンサル会社に勤めて3年目 日々考えたことを書いてく

家事にお金を払うのは悪いことか。お手伝いさん雇ったっていいじゃない。

なににお金を使う?

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前職外資投資銀行時代の同期とランチしていた時のこと。

彼女は3月に挙式予定の新婚さんで、長く遠距離だった旦那様と最近一緒に住み始めたばかり。

やはり住み始めの時期は価値観のすり合わせに苦労するようで、外食時の価格帯や家事の分担に関する意見の相違に悩んでいました。

そして、彼女と旦那さんで意見が大きく異なる議題の一つが、

お手伝いさんを雇って家事をお願いすることにお金を使うかどうか。

彼女も旦那さんもバリバリ仕事している共働き夫婦です。

家事の分担を決めてどちらかに負担がかからないようにしているものの、お互い仕事が忙しくなってくるとどうしても家事に手が回らず、家がぐちゃぐちゃになってしまうとのこと。

不満がたまる→喧嘩する→旦那様反省する→家事やるようになる→忙しくなる→掃除しなくなる→(以下繰り返し)

を数回やって、彼女としては、同じことを繰り返すくらいなら、お金で解決する手段もあると思っているそうです。たとえば、お手伝いさんに週に一回来てもらって掃除だけでもやってもらうとか。

一方、旦那さんはお手伝いさんを雇うことには抵抗があるらしく、子供ができてからならまだしも、まだ二人で生活している間は自分たちでがんばるべきだと。

なるほど。どちらの言い分もわかる。

さらに彼女に言わせると、旦那さんは外食に関してはお金に糸目をつけず払うのに、なぜ週に一回お手伝いさんを雇う額が払えないのか、わからない。と。

確かに、二人とも優秀で稼ぎも多いのでお金の問題ではないのでしょう。

要は何に対してお金を払うのか、価値観の違い

かと思われます。

 

家事の捉え方

私自身は完全に同期の友人と同じ考え方で、家事であっても、かかるコスト(時間やお互いにかかる精神的負担)に対して、支払う額が生活を圧迫しない範囲で妥当と思えるならば、他の支出を削ってでもお金を払って解決すべきだと考えています。

極めて合理的だと思うのですが・・・。世に旦那さん側の考え方を持っている人は多いのも事実で。

それが実は共働き社会を築きにくくしている要因の一部だとも思うのです。

なぜ家事にお金を払うことに対し、価値観の相違が生まれるのか、考えてみました。

 

1.「家のことは自分たちで(もしくは奥様が)やるもの」という倫理観

日本は古くから家の中のことに対して、外様にさらすことではない、さらに、人の家に対しては距離感を保つことが美徳とされているように思います。

たとえば、子育てなんかでも、基本は「親を頼れ」という文化。保育園に小さいうちから預けたら抵抗感もって見られるし、ベビーシッター文化なんかも全くない。

それこそ古くから受け継がれる、お家、という考え方の名残なのかもしれません。

だから、その倫理感を破って、家を保つことに関して人様に頼るということは、かかる金額以上の罪悪感を生じさせるような気がします。

本来やるべきことをやらないなんて、甘えだ、的な。

それは、たとえばタクシーを使うときに多くの人が感じるであろう罪悪感とも近いです。

タクシーの価値はその時々の状況によって違うのに。

雨で、寒くて、駅から離れていて、風邪気味で、タクシーを使ったほうが利にかなってるときだってある。その時、移動に関して電車ではなくタクシーを使うことに、罪悪感を感じる必要なんてないはずなのに、やはり「贅沢をしてしまった」という思いは残る。

必要以上の贅沢かどうかなんて、自分がその時享受できる価値に対して、払うお金を比較しなければ判断できないのに、一般的に贅沢だといわれているから贅沢だ、と判断するのはおかしい。

そんな感じで、一般的な倫理観にとらわれて、その時々によって変わる価値を合理的に判断できない、ということが一つ理由としてあげられると思うのです。

 

2.家事の負担が夫婦の関係に及ぼす影響を理解していない

もう一つの理由としては、働く女性が増えてきているこの世の中において、家事の負担がどれだけ深刻な問題になりうるか理解していない男性も多い、ということが挙げられます。

私たちの親世代は当たり前のように奥様が家事をこなしていました。

もちろん例外はありますが、旦那様が稼ぎ、奥様が家に入り家事をこなし、役割を明確に分けることでお互いに(いい意味で)依存し合って成り立ってきた家族が多かったはずです。

そのバランスが今の世の中では変わってきている。

女性も男性と同じように働く家庭が増えてきています。そうなると経済的に自立できるので、夫婦間の役割は曖昧になり、依存関係も弱くなります

以前よりも、個人が家庭を保つ意味は確実に薄くなっている。特に子供が不在の間は

だからこそ、経済的な負担のバランスが見直される中、家事の負担をどうカバーするかは、どうやって新しい時代の夫婦間バランスを保っていくかの重要項目の一つなわけです。

女性側は従来のバランスを変えようとしている側なので、その重要性が理解できますが、男性側はいつの間にか変わっている家庭のバランスに気づかず、「なぜそんなことがそれほど重要なのか」と軽視しがちなのかもしれない、と思うのです。

離婚率が高まっているのも、こういったことが影響している部分もあるのかも。

 

選択肢は多いほうがいい

家事の負担に悩んでいる人は皆お手伝いさんを雇うべき、ということではもちろんありません。

ただ、一般的な選択肢として、お金を払って家事の負担を解決する、ということが社会的に浸透するといいな、と思っています。

家族のあり方がこれまでよりも多様化しているのに、取りうる選択肢が追いついていないと、私の友人のように悩めるキャリア女子が増えてしまうことでしょう。

 

残念ながら私自身はまだ悩む必要も無いんですけど・・・。